労災保険とは
交通事故の治療費は、一日で数百万円という高額なものになることがあります。
そこまで高額でなくても、労災保険や健康保険を使わない、いわゆる自由診療にすると、医療点数が2倍前後になるため自賠責保険の支払い限度額である120万円を簡単に超えてしまうことになります。
そこで、労災保険や健康保険に加入している場合には、これらを使って治療をすることを優先した方が良いでしょう。
健康保険の場合は2割または3割を自己負担しなければなりませんが、後で加害者側に請求することができます。労災保険の場合は治療費の負担が0なので、この点、より安心して治療に専念できます。
したがって、仕事中や通勤途中に災害にあった場合は、労災の適用を受けることができれば、これを使うことが優先されるようにしたいものです。特に加害者が任意保険に入っていなければ満足な治療費も受け取れないこともありうるので、なおのことです。
また、過失の多い加害者となった場合でも、保険金の減額はありませんし、使用者側の過失の有無も関係ありません。
労災は業務災害と交通災害とでは申請の様式が違いますので、事故の状況がどちらになるのかを把握する必要があります。
労災保険は個人営業で農林水産業従業員が5人未満事業所場合以外は、強制的に加入しなければならないなのであり、パートやアルバイトはもちろん、日雇い労働者であっても労災の適用があります。
業務災害
業務災害とは就業中の負傷や疾病、障害、死亡した場合に適用されるものです。したがって災害の原因が本来の業務とは無関係であると思われる場合には適用されません。
マイカーによる出張先への移動中に事故にあったが、マイカーでの移動が就業規則等で禁止されていた事例で、最高裁は業務災害の適用を認めていません。
労働者が会社から緊急で呼び出され、マイカーで会社に向かっていた際に事故にあった場合も業務災害となり得るようです。
通勤災害
労働者が通勤途中に交通事故にあった場合は、通勤災害となり労災の適用を受けることができます。
通勤災害の場合は、事業者側に運行共用者責任はありません。したがって、労災を適用したとしても労災保険の掛け金が上がることはありませんので、事業の使用者はできるだけ協力して労災の適用を受けられるようにするべきでしょう。
しかし、通常の通勤経路と思われる経路を外れていれば、合理的な通勤経路とならず労災の適応を受けられる可能性は少なくなることがあります。
就業後、会社から帰宅する際にあちこち立ち寄ることもよくあることですが、日常生活に必要な物の購入でその途中に事故にあった場合は、労災の適用を受けられる可能性は高いですが、趣味でゴルフ道具の品定めを長時間もしていたような後での労災適用は難しいでしょう。
個人事業主であっても、特別加入制度を利用して労災保険に入ることができるので、個人タクシーの運転手も労災の申請ができるのです。しかし、この場合には通勤災害の適用はありません。もちろん業務災害となるのです。
災害補償の種類
労災保険には以下のようないろいろな補償制度が設けられています。これらの理由からも、自動車事故の時にこそ労災を利用したいものです。
療養補償給付 休業補償給付
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