不動産引渡しの強制執行
不動産を購入してもその不動産を引き渡さない場合や、家賃を支払わずに賃借人が居住建物から退去しないような場合などでも、強制執行によりその引渡しを求めることができます。
執行妨害の排除
不動産の場合には、所有権を持つものがその不動産を占有しているとは限りません。所有権や賃借権を持たない者が第三者として当該不動産を占有している場合には、以前の民事執行法では、その者を特定できなければ、強制執行の手続きができませんでした。
そこで、現行の民事執行法ではこのような妨害行為を排除するために、債権者が占有の相手方を特定できなくても、民事保全法に基づく仮処分や、債務名義に承継執行文を付与すること等により、強制執行をおこなうことができるようになっています。
執行方法
動産執行の申立書と同じ様式のもので申立てを行い、裁判所の執行官によって執行されます。
建物の明渡しでは、初回の執行時には、期限を定めた立ち退きの催促のみが行われます。その期限が来ても占有者が立ち退きをしないときに、2回目の執行として物理的に明け渡しをさせます。その際には債権者もしくはその代理人の立会いが必要となります。
建物内にある執行目的でない動産は債務者やその親族等に引き渡すことになりますが、それらの受け取りを債務者側が拒否した場合は、執行官が売却や保管をしたりします。
建物撤去による土地の明渡し
債務者が土地を借りて建物を建てているような場合に、土地の所有者がその返還を求める訴訟で勝訴すると、建物を取壊し更地にして所有者に明渡さなければなりません。しかし、債務者がその判決に従わずにいる場合は、建物収去土地明渡しの強制執行を申し立てることによる、土地の返還を受けることができます。
建物の撤去は、当然に債務者側が行わなければなりませんが、強制執行においては債権者側が建物の撤去を行いそれにかかった費用を後で債務者から徴収する形になります。
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