任意保険の意義

任意保険には必ず加入しましょう

自賠責保険には入っていれば、任意保険は必要ないと考えておられる方が多いようです。

ただ、任意保険は自賠責と異なり車種だけでなく、年齢や運転歴などによる等級、免許の種類(ゴールドやブルーなど)などによってまちまちなので 、相当に高額になることもあり、任意保険の加入に消極的となってしまうことがあります。

しかし、自動車は予測のできない凶器となることがあり、過失であろうと数億円の賠償責任を負うことも多々発生しているので、後で泣きを見ないためにも、車の運転をする方は極力任意保険に加入することをお勧めします。

任意保険による物損の示談交渉

任意保険に入っていれば壊れた物の損害を請求することが出来ます。

例えば、全損で車を買い替えなければならなくなった場合、示談交渉には車体本体の査定額とオプション付帯額や、車に積んでいた破損した品物代、その他次の事項も交渉材料にしたいものです。

●車庫証明手続代行費用
●検査登録手続代行費用
●納車費用
●自動車取得税
●自動車重量税
●検査登録法定費用
●車庫証明法定費用
●車検残存期間
●廃車・解体費用
●自動車レンタル費用
●それぞれに掛かる通信費
●それぞれに掛かる消費税

以上の他、ご自分で考えられるものがあればそれらをキッチリ計算して交渉担当者に提示しましょう。これはあくまでも任意保険による適用です。自賠責保険は【他人】である人間に対する損害しか適用されません。

また、物損の査定価格に納得のいかない場合は、日本自動車査定協会で査定をしてもらうことができ、事故減価額証明書を発行して貰えます。

これを使って有利に交渉を進めることもできる場合があります。

任意保険に入っていないと

交通事故で加害者になったあなた、任意保険に入っていなかったので保険会社は自賠責保険の請求手続きはしてくれません。

交通事故で被害者になって、相手も任意保険に入っていなかったら、保険会社は自賠責保険の請求手続きをしてくれません。

事故の程度が小さかったから被害者は自賠責だけで十分足りると思っていても、被害者に重大な過失があれば減額されることもありますし、加害者側が免責(無過失)されれば1円も貰えません。

そこで、加害者となる方に過失が全くなかったり、自損事故であっても人身傷害保険の特約がしてあれば、それによって保障をうけることが出来ます。

任意保険に入っていても安心できない

保険会社も営利追及事業者です。出来る限り保険金の支出は抑えたいと考えるのが保険会社の真意と考えていた方が良いでしょう。

当然、無料で自賠責保険の請求もしてくれますが、本人の思っているほどの賠償金が貰えるとは限りません。

損害査定額は、保険業界独自のものであり、弁護士会基準や裁判基準の数値と比べると遥かに低くなっています。

任意保険に入っているからといって、全て保険会社にお任せしていると、正当と思える保障が受けらず痛い目に会うこともあります。

事故の証拠となりそうなものがあれば、必ず大切に保管しておきましょう。現場の写真や相手車の被害状況とその写真も重要です。

今はドライブレコーダーというものもあるので、これを装着しておけば、後で証拠として採用されることもあり、大変に役立つものになってくれるでしょう。

最近では弁護士費用特約がオプションではなく、自動的に付いている保険もあるようですが、これがあればいざという時に大変役立ちます。

ない場合には、ケチらずにできるだけ付けておきましょう。

私自身の経験

かつて私もそこそこ大きな事故に巻き込まれたことがあります。

信号待ちで止まっている私の車に、一台の20トントラックが追突してきたのです。そして私の前にいた2台の車と玉突き状態になり、反対車線を走っていた乗用車の窓ガラスが割れるという車5台が絡む事故でした。

幸いにも死者や重傷者は出なかったものの、私の車はトラックと前の軽自動車にぶつかり大破して廃車になってしまいました。後部座席に人が乗っていたら間違いなく大怪我をしていたでしょう。

自分自身の体に特に痛みなど異常な部分はありませんでしたが、後遺症は忘れたころにやってくると言われているので、取り敢えずレントゲンを撮り、整骨院に3ヶ月ほど通いました。

物損的には全損だったので、その当時その車種の査定額になりますが、当然保険会社の最初の示談額には応じていません。

この時はまだ行政書士の資格も持っておらず、自動車保険会社に対する知識もほとんど皆無だったので、もし当時今ほどの知識があればもっと保険金が貰えたことでしょう。

人身でも物損でも保険会社は、まず最低額くらいの金額を提示してくるので、それで示談に応じることは大損をしてしまう可能性があります。

まとめ

交通事故の世界は現代社会の縮図といってよいでしょう。

警官も人の子、面倒くさい事務手続きや現場検証はできるだけしたくないし、治療法は知っていても、診断書は雛形にそって適当に始末するだけの医者もいれば、保険会社、タクシー会社、修理工場と関係のふか~いお医者さんもいるようです。

大概の医者が書く字が下手くそなのはなんでかな~?読み難い字がある時には、事務員でもよいので聞いてみて下さい。

保険屋さんとの交渉が決裂し、調査事務所に何度異議申立てをしても、どうしても納得のいかない損害や後遺障害がある場合、訴訟ということになるわけですが、弁護士の言葉に乗せられて、結局一円も貰えず敗訴となった事例も身近にあります。

訴訟になった場合行政書士はその訴訟の代理人になれません。弁護士に依頼するか、本人訴訟ということになります。

警察の調書、医師の診断書によって事故査定は大きく変わります。

後になって泣きを見ないように、警察官との事故に関するやり取りは出来るだけ正確に行い、医師に診断書を書いて貰ったときはその診断内容を自分の目で確認し、納得のいかない所、わからない所はしっかりと聞くということが大事です。

何はともあれ、任意保険に加入できるのであれば加入しておくことに越したことはありません。死者が出たりひどく後遺症の残るような事故になれば、被害者にも加害者にも地獄が待っています。

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