契約の基礎知識

契約と契約書

契約は双方の同意があれば有効に成立することが認められるのが基本です。したがって口頭で行われたものであっても、その契約通りに履行する義務があります。

これは「契約自由の原則」における「契約締結方式の自由」という原則に従うものです。契約書がなかったり、契約書があっても押印がないからといってそれだけで無効になることはないのです。

契約書がなくても領収書やわずかなメモ程度のものがあれば、それを証拠として相手方に履行を促すことができます。当然、その逆に契約における自らの義務を果たさなければなりません。

契約書の必要な場合

契約は口頭のみで有効になるといっても、いつもそうとは限りません。世の中には、契約というものに熟知している人とそうでない人が当然存在しますし、対象物によっては法律に規制されているものもあるからです。

そこで契約方式の例外として、次のような場合などには必ず書面による契約が必要とされています。

◆農地の賃貸借契約
◆建築工事請負契約
◆割賦販売法による契約
◆借地借家法

①存続期間50年以上の定期借地権設定契約
②事業用定期借地権設定契約
③更新しない定期建物賃貸借契約
④取壊予定建物賃貸借契約

契約書の必要性

契約を結ぶために書面にすることはもちろんそれなりの意味があります。証拠力を争う裁判では契約書面の存在により有利になることは疑う余地がありません。

逆に契約書面があるからといって、その書面に書かれていることが全て有効であったり、必ず真実を表
していることにはなりません。それは契約の強要があったり、誰かが勝手に署名・押印したり、書面自体を後から偽造するということも考えられるからです。

契約書の必要事項

契約の成立を確実なものにするためには、やはりそのための必要事項が明記されていなければなりません。

  • 契約の成立時期やその有効期間(期間の定めのない時はその旨を明記する)
  • 契約当事者の明記(権利者と義務者や保証人又は代理人)
  • 契約の趣旨やその目的(売買契約、賃貸契約、請負契約等)
  • 契約の対象やその目的物(売買の時は何を売買するのか等)
  • 契約者双方の権利や義務(売主の物件の引渡し方法や買主の金銭の支払い方法、契約上のトラブルの範囲、損害賠償など)

契約の内容が不明確であったり、書き忘れた事項がある場合はどうなるのでしょうか。例えば不動産の売買契約において、所有権登記移転の費用を双方で特に取り決めなければ民法558条により、双方が平分して負担することになります。

このように民法等の規定されているものは、特に契約書に記載しなくても法律によりその不備を補うことになります。言い換えれば、法律で記載されている事項は省略しても、その法律に従うことに双方とも異議のない場合はあえて記載する必要はないということです。

更に言えば、法律の規定がある場合でも、特に違法とならなければ、特約として記載することにより、その記載事項の趣旨に従うことになります。
す。

署名と押印 標題と前文

正本と副本 公正証書による契約書

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