育児・介護休業等の解説

労働者の権利としての休業・休暇

労働者の育児・介護休業は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定されています。

この制度は、一部の公務員などに対しては、平成6年から実施されていたものですが、民間企業においても平成7年より導入されました。そして平成17年4月1日には、より一層の推進をはかるため本法律が改訂されました。

しかし、このような制度があっても、現在でも、会社内での理解が薄く、利用されていないケースや、利用できたとしても、そのことで差別を受けている現状が多々あるようです。

また、この制度はどのような事業場であっても、その適用を受けることができるので、会社側が「うちはその制度を導入していません」とするようなことはできません。

育児休業

労働者は、この制度の利用を申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができます。

日雇い労働者には適用がありませんが、次の事項に当てはまる場合は利用が可能です。

  • 期間雇用者であっても同じ事業主に引き続き雇用された期間が一年以上であること
  • また、子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込みのあることが必要です。(子が1歳に達する日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者は除かれます)

次の場合、子が1歳6か月に達するまでの間も育児休業をすることができます。

  • 保育所に入所を希望しているが、入所できない場合
  • 子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合

ただし、?当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の一歳到達日において育児休業をしている場合や、?当該子の一歳到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として、厚生労働省令で定めるものに該当する場合に限られます。

●育児休業ができる労働者は、原則として1歳に満たない子を養育する労働者で、男性、女性のどちらでも利用ができます。

育児休業は連続した期間でなければなりませんが、子が1歳まで育児休業をしていた配偶者に替わって子の1歳の誕生日から休業することもできます。

★申出の方法
この制度の利用に当たっては、労働者からの申出が必要であり、申出に係る子の氏名、生年月日、労働者との続柄、休業開始予定日及び休業終了予定日を明らかにして1歳までの育児休業については、その予定日の1か月前までに申し出なければなりません。

1歳から1歳6か月までの育児休業については、休業開始予定日の2週間前までに申し出る必要があります。

介護休業

労働者は、この制度の利用を申し出ることにより、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができます。介護休業ができる期間は通算して93日です。

要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいい、対象家族とは配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫をいいます。

日雇い労働者には適用がありませんが、次の事項に当てはまる労働者はその利用が可能です。

  • 期間雇用者であっても同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上あること
  • 介護休業開始予定日から93日を経過する日(93日経過日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(93日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者は除かれます)

また、労働契約の形式上、期間を定めて雇用されている者であっても、その契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態となっている場合には、介護休業の対象となります。

★申出の方法

申出に係る対象家族の氏名及び労働者との続柄、介護を必要とする理由、休業開始予定日並びに休業終了予定日を明らかにして、休業しようとするその2週間前までに申し出をする必要があります。

子の看護休暇

小学校就学前の子を養育する労働者は、その申し出により、1年に5日まで、病気・けがをした子の看護のために、休暇を取得することができます。

申出は口頭でもでき、 事業主は、業務の繁忙等を理由に、この申出を拒むことはできません。ただし、勤続6か月未満の労働者及び週の所定労働日数が2日以下の労働者については、労使協定の締結により対象外とすることができます。

不利益取扱いの禁止

事業主は、労働者が上記の休業において、その申出をしたことやそれを取得したことを理由として、解雇や降格、減給といったような、不利益な取扱いをしてはいけません。

時間外労働の制限

事業主は、育児や家族の介護を行う労働者が請求した場合には、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはいけません。  

深夜業の制限

事業主は、育児や家族の介護を行う労働者が請求した場合には、深夜(午後10時から午前5時まで)に労働をさせてはいけません。

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